CBCとの取り組み | Innovation with CBC

CBCとの取り組み | Innovation with CBC

 Verdy Sports Innovation Hubは、イノベーションパートナーとして新たに、CBC株式会社(本社所在地:東京都中央区、代表:圡井正太郎、会社URLhttps://www.cbc.co.jp/)をお迎えいたします。

 CBC株式会社(以下、「CBC」)は、創業1925年の伝統ある大手商社です。化学品や医薬品などをメインに10分野の事業領域において、商社機能とマニュファクチャリング機能を併せ持つ「開発型創造商社」として、全世界40ヶ所以上の拠点でグローバルに事業創造を進めています。 

なぜCBCはスポーツビジネスに取り組むのか

 CBCが抱える10分野の事業領域(化学・樹脂、産業用機械、電子材料・デバイス、自動車&電子機器・部材生産、ヘルスケア、アグリサイエンス、フーズ関連、ファッション、産業光学、新規事業)において、スポーツビジネスは、プラットフォーム・サブスクリプション事業やバッテリーソリューションなどと並び、新規事業に位置付けられています。会社として『化学品をベースに医薬品や食品、ヘルスケアなど事業を広げた中で、商社にとって従来型のトレーディングビジネスを進めながらも、同時に新しいビジネスモデルやテーマに取り組む必要性』(スポーツビジネスユニット プロジェクトリーダー 塚本淳二様)を認識しており、スポーツビジネスはその一環です。

 また、CBCは『共存共栄/Dream Together』という理念のもと『会社と社員お互いが切磋琢磨し、共に成長・発展し、自らの手で幸せと喜びをつかみ取る』ことをベースにしていることもあり、社員がやりたいビジネスにチャレンジできる環境(塚本様)があります。塚本様自身がトレーディングの世界に10年以上携わり、海外にも駐在するなど経験を積んできた中で、好きなサッカーをテーマに事業創造にチャレンジしたいと、スポーツビジネスへの進出を社内提案しました。そして、個人の想いに加え、『スポーツビジネスというマーケットの成長性や、スポーツをフックに既存の事業を横串で連携し、各事業の拡大にも貢献し得る可能性』(塚本様)なども考慮された結果、事業化が実現に至ります。

CBCはどのようなスポーツビジネスに取り組んでいるのか

 CBCがこれまで知見として蓄積してきた「テクノロジー」「イノベーション」「グローバル」などのキーワードを強みに、スポーツを「する」「支える」「見る」「創る」の各領域においてデジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)を推進する事業に取り組んでいます。その中で、CBCがおよそ100年間にわたる社歴の中で培ってきた『商社としてのポジショニングやネットワークを活用しながらも、脱従来型商社というか、マージンビジネスではない自分たち自身のサービスを創る。必要に応じて出資などにも挑戦しながら、事業を拡大していく』(塚本様)ことを目指しています。

 「する」「支える」領域において、アスリートパフォーマンス向上に向けたウェアラブルデバイスや分析システム、出資をしているスカウティングシステムなどによる「データDX」に向けた取り組み、「見る」「創る」領域において、自由視点やAI分析カメラなどを活用した「映像DX」に向けたスポーツ界のDX化を推し進めていきます。

なぜCBCは東京ヴェルディと協業するのか 

 上記のような『DX化に向けたスポーツテック分野の開拓』に加え、その実現のためにCBCが重視するのが『プロスポーツチームとの共創開拓』(いずれも塚本様)です。プロスポーツチームとの連携を通じて、知見やデータの蓄積と検証を進め、自社製品・サービスの開発・改良に繋げることを目指しています。そのような背景から、Verdy Sports Innovation Hubが志向する事業共創モデルとの親和性も考慮し、東京ヴェルディとの協業に至ります。

CBCと東京ヴェルディは今後どのような共創を行っていくのか

 両社の共創モデルとしてすでに進行中の取り組みが、「キックモーションやボールスピードの解析」です。CBCでは、スポーツ科学研究機関監修のもとに開発された、選手のキックモーション(スイング速度やインパクト効率など)やボールスピードなどを測定・解析するシステムのサービス展開を進めています。キックの際に、どのように動いているか、スイング速度やインパクト効率がどうなっているかなど、スポーツバイオメカニクスにより解析し、可視化した数値や動作のメカニズムなどをチーム・監督、選手へフィードバックします。測定により得られた数値から、基礎的な「止める・蹴る」技術の習得・向上、キック力(パススピードや飛距離など)の強化、フォームの見直しによるコンディション改善につなげ、選手個々のパフォーマンス向上、日本サッカー界の競技力向上に繋げたいと考えています。

 東京ヴェルディとの協業により、すでにトップチームのプロサッカー選手から、アカデミーチーム、女子チームなど数百人規模のキックモーションやボールスピードなどを測定し、動作の解析とデータの蓄積を始めています。今後は、アカデミーチームを中心に、キックモーションの改善と個人及びチームのパフォーマンス向上との関連性などに関する科学的な共同研究を行います。

 上記以外にも、CBC社が出資するスカウティングプラットフォームやパートナーとして協業するAI分析カメラに関して、プロスポーツチーム視点を踏まえた機能改善や国内外での浸透・販路拡大に向けた協業・意見交換を行っていきます。

CBCがスポーツビジネスを通じて社会に与えたいインパクトとは

 CBCは自社が誇る全世界40の拠点を活用しながら、海外マーケットを絡めたグローバビジネスの構築を目指しています。スポーツビジネスの世界でより多くの資金が循環しているのは現状欧米諸国であり、日本国内だけに目を向けると、マーケット規模は『総合商社が扱うには少しチャレンジング』(塚本様)という認識です。米国ではスポーツビジネスが「ドリームジョブ」と呼ばれ、それに携わる人にとっては報酬も高く、やりがいも感じられ、人気職種のひとつになっています。一方で、『日本ではまだまだ市場が成長過程にあり、潜在性はありながらも、報酬面や人材面で投資が集まらず、競技レベルが高いのにも関わらず、認知が低かったり、働いている人も金銭的に苦しかったりする』ような競技も存在します。事業を拡大し、投資の流入や資金の循環を強め、『CBCが日本のスポーツ業界の底上げに貢献したい』(いずれも塚本様)という使命感を持っています。

 加えて、スポーツビジネスは、『CBCがこれまで主体としてきた「モノ」ビジネスとは一線を画し、熱狂や共鳴を創出するビジネス』であるからこそ、『テクノロジーの力でより多くの人たちに伝え、繋ぐことで、社会的なインパクトを創出していきたい』(塚本様)という想いもあります。

 今後、CBCVerdy Sports Innovation Hubでは、上記のような共創を進めてまいります。進捗や研究成果については本サイト上でも随時ご共有いたします。