駒沢女子大学との取り組み | Innovation with Komajo

駒沢女子大学との取り組み | Innovation with Komajo

 東京ヴェルディ株式会社は、駒沢女子大学(所在地:東京都稲城市、学長:安藤嘉則、学校URLhttps://www.komajo.ac.jp/uni/)と2010年にコーポレートパートナー契約を締結し、以降、14年間にわたり多大なサポートをいただいております。

 駒沢女子大学は、東京都稲城市にキャンパスを構え、道元禅師の『正念』と『行学一如』という教えを建学の精神としています。知性と理性を備えた心豊かな女性の育成を教育理念とし、学生一人ひとりの能力を伸ばす教育活動を行っています。大学の学部学科には、人間総合学群(人間文化学類(日本文化専攻、人間関係専攻、英語コミュニケーション専攻)、観光文化学類、心理学類、住空間デザイン学類)、人間健康学部(健康栄養学科)、看護学部(看護学科)があり、同キャンパス内には、駒沢女子短期大学保育科と駒沢学園女子中学・高等学校が併設され、市内には駒沢女子短期大学付属こまざわ幼稚園を擁する女子総合学園です。 

駒沢女子大学と東京ヴェルディはどのような共創を行っているのか

  駒沢女子大学と東京ヴェルディが継続的に取り組む活動のひとつが、女子プロサッカーチーム「日テレ・東京ヴェルディベレーザ(以下、ベレーザ)」の育成組織である「日テレ・東京ヴェルディメニーナ(以下、「メニーナ」)」に所属する中高生選手への栄養サポートです。具体的には、同大学人間健康学部健康栄養学科(以下、「健康栄養学科」)による食育活動です。(「食育」:健全な食生活を実践するための教育)

 健康栄養学科では、「アスリート栄養サポートプロジェクト」と題し、指導教員(曽我部夏子教授、岡田昌己准教授、小澤多賀子准教授)による監修のもと、同学科の学生たちが、部活動を含むスポーツに励む中高生を中心とする女子選手に対して、食育活動を展開しています。その一環として、コーポレートパートナー契約を締結するメニーナの所属選手に対しても同様の支援を行っています。

 メニーナとの取り組みにおいては、同学科の学生たちが中心となって、選手の身長、体重、体組成、骨量測定などを計測すると同時に、直近3日分の食事記録を共有することで、選手個々の身体状況と食事量のバランスを把握します。その後、当該データを同学科の指導教員及び学生が分析し、それぞれの選手に対してフィードバックを行います。また、必要に応じて保護者にも状況を共有します。このようなやり取りを年に2回程度実施することで、選手の食生活の傾向や体の成長を定点観測しながら、パフォーマンスの改善に繋げていきます。

 また、上記のような個別アプローチに加えて、選手への集団形式での「食育講話」や、選手向けの弁当及び補食を学生が考案(管理栄養士の資格を持つ指導教員が監修)し、提供する活動も行っています。

 食育講話は、エネルギー量を食事からしっかりと取ることの重要性を伝える目的で実施しています。女子中高生は成長によって体型が変わる時期であるため、太ったと勘違いして誤ったダイエットをしてしまうことがあります。特にスポーツに励む女子選手は、エネルギー不足が怪我や体調不調に繋がることがあるため、適切な食事量をしっかり摂取することを意識する必要があります。メニーナでは新加入選手に対し、年に1回開催しています(新型コロナウィルス感染拡大期以前は年に複数回、拡大期には対面ではなくオンラインで実施)。

 また、選手向けの弁当提供は、メニーナ所属選手に対して年に2回程度実施し、さらにベレーザ所属選手にも年に1-2回程度実施しています。補食提供は、夜の練習の後、家が遠くて練習直後に食事を摂取することが難しい選手にとって、持ち運びやすさ、保存性、栄養価などを重視しながら、最適な栄養補給方法となるために検討を進めています。

なぜ駒沢女子大学はベレーザ所属選手に対する栄養サポートを行うのか 

 前述の通り、駒沢女子大学によるメニーナへの栄養サポートは、2010年より10年以上にわたり継続されています。取り組みを開始した背景として、地元にクラブハウスがある東京ヴェルディから提案を受け、大学として地元である稲城市を共に盛り上げ、女子スポーツチームを応援する良い機会であることから、両者の共創がスタートします。

 本共創を継続する最大の意図は、『健康栄養学科の学生たちにとって、トップレベルの育成選手と関わらせていただける貴重な経験』になっていることです。前述の「アスリート栄養サポートプロジェクト」においては部活動に励む一般的な選手の支援もする中で、『メニーナというプロ選手を目指す女子選手の食事や身体への意識の高さを学生に感じてもらいたい』という指導教員陣の想いから、本共創が学生に気づきを与える場として機能しています。また、新型コロナウィルス感染拡大期以前は、選手が弁当を喫食する際に学生も同席して、選手と話をしていました。選手から弁当のメニューに関する質問があったり、食べた感想を直接聞くことができたりと、世代別代表選手を含むトップレベルの選手との会話は学生にとって貴重な機会になっています。

駒沢女子大学がスポーツの現場や社会に与えたいインパクトとは

 駒沢女子大学のアスリート栄養サポートプロジェクトが目指すのは、「女性が輝ける環境を女性が支える」社会作りに貢献することです。メニーナへの支援等を通じて得られた女子アスリートの食生活に関する情報やデータを選手のために活用し、さらに学生とともに論文等の形で社会に発信し、他の領域の専門家の方や企業とも共有しながら、『他競技も含めた育成年代の女子アスリートの環境整備に微力ながらお役に立ちたい』という想いがあります。また、これからの日本社会を担う高校生や学生たちに対しては、『女性特有の健康問題へのアプローチなど、女子大だからこそ検討すべきことがあり、本プロジェクトをきっかけに学生自身の健康増進への意識を高めてもらいたい』と、自学の学生の人材育成にも繋げています。

 

 Verdy Sports Innovation Hubが考える「人材育成」とは、単に東京ヴェルディの選手やスタッフだけが成長することではなく、関与いただくパートナー企業の皆様やその社員、教育機関の学生たちなども成長機会に恵まれ、プラットフォーム全体で人材が育ち、社会に還元される世界観です。

 今後も、駒沢女子大学と東京ヴェルディ株式会社では、Verdy Sports Innovation Hubに関連する取り組みについて、進捗や研究成果などを本サイト上でも随時ご共有いたします。